2024年3月1日金曜日

娘の卒業式 - 120.0kg

 今日は娘の卒業式でした。

ビックリする様な点数を取って来て、卒業出るのか心配しましたが、卒業させて貰えて有難いです。また精勤賞まで頂いてしまい、これにも驚きました。寝坊ばかりして電車に乗り遅れ、遅刻の常習犯だった様ですが、カウントしないで頂いた様です。

これで娘も人生の階段を1段登る事が出来ました。

キリスト教系の学校なので、講堂は教会風に作られており、演壇の後ろには十字架とステンドグラスが、またパイプオルガン付きです。卒業式では讃美歌が随所に取り入れられていました。私は讃美歌というのは、聖書の詩編にメロディーを付けた物だと思っていたのですが、歌詞がいかにも卒業式向けの物まで用意されているという事に驚きました。

ちなみに私が卒業した成田高校は、成田山教育財団が運営する仏教系の高校です。しかし、金は出すが口は出さないという財団の運営方針により、仏教に関する授業はありませんでした。ただ、付属中に入学して以降、若干方針の変更があり、入学式、卒業式には仏教色を出す様になり、「三帰依」、「四弘誓願」、「明王あり」といった歌を歌ったり、「不動明王御真言」を唱える様になりました。また、その練習のため、1時間だけ成田山からお坊さんを呼んで、全生徒が講堂に集まる日が出来ました。

また、入学式、卒業式の時は、来賓として成田山教育財団の代表が招かれ、挨拶があります。お坊さんの話などというと、つまらない説教というイメージを持ちがちですが、高校の入学式の時のお話は今でも記憶に残っています。

当時は「受験戦争」という言葉が盛んに用いられ、子供の頃から競争の中に叩き込まれるのが当たり前の時代でした。その中で勉強に付いて行けない「落ちこぼれ」が出て来て、その中の一部を中心として「不良」となり、学校で暴れたりする事件が多い時代でした。尾崎豊の世界観の時代であり、今や参議院議員になり「恥を知れ」で名を馳せた、三原じゅん子や、中森明菜の人生をボロボロにした近藤真彦などが出演した、初代「3年B組金八先生」の時代です。

この様な状況に対する学校側の対策として打ち出されたのが、生徒を厳しく指導して問題を起こさない様にしようという「管理教育」という考え方でした。その様な考え方を持った人物が私が中学の時に校長としてやって来たのです。

校長が良く言っていた事が「お前たちは金魚鉢の金魚なんだ」とか「勝ってこい」でした。生徒は偉そうな事を言わずに学校のいう事を聞き、良い成績を取って学校の評価を上げるんだ、という訳です。

教育者としてはどうかなと思うのですが、今から考えると、下から這い上がって成功しようとするのであれば、その様な生き方もあるのかなと思う事もあります。ただ私の生き方とはかなり温度差がありますね。

その校長が生徒に出した目標が5つの「する」でした。

勉強する、運動する、挨拶する、清掃する、あともう一つはよく覚えていないのですが、正装するだったかも知れません。まあそんな感じの5つの目標を提示し、高校の入学式でもその話をしました。

その後に、成田山教育財団の代表のスピーチが始まりましたが、これを聞いて私は感動してしまいました。

「今校長先生が5つの「する」を目標として示しました。でも私は更に3つの「する」をやって貰いたいと思っています。5つの「する」に3つの「する」を加えて「8する」、「ハッスル」して貰いたいのです」

5つの「する」でうんざりしていた所に、さらに3つもと暗い気持ちになった所に「ハッスル」して欲しいと言った訳です。この聞く人の心を掴むテクニックは素晴らしいです。元々は田舎ののんびりとした学校だったのに、そこに管理教育型の考えを強く打ち出している事に対して違和感を感じていたのではと思います。中学高校時代には、色々と思う所はあるのですが、この話を聞けただけでも成田高校に行った意味があったなと思っています。

お坊さんの説教というと、つまらない物と思いがちですが、感動できるものもあるので、機会があればしっかりと聞いておくのが吉だと思います。

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