ここ1週間程度で4kgくらい体重が落ちていたのは、体内の水分の変化が中心だった様ですね。空腹の時間を作る方針を維持し頑張って継続したいと思います。
私は学生時代、占い研究会というサークルに所属していました。メンバーは20人程度。5月に2日間の、11月に4日間の学園祭があり、1件300円でタロット、手相、占星術、四柱推命などの占いをして、1日に10万円程度の売上を立て、打ち上げはタダで飲み会が出来る経済的には比較的余裕のあるサークルでした。
私は最初タロットカードから入り、占星術をかじり、その後、先輩が作ってくれたコンピュータ占いの面倒を見ることになりました。私が引き継いだ時のコンピュータ占いは1枚出力するのに最大で20分くらい掛かり、少々お荷物な存在で、学園祭前に担当者が何日も徹夜して作っても時給で考えたら、ヤマザキパンで深夜のバイトをした方が率が良いと揶揄されることもありました。
そこで私が最初に手を付けたのが出力速度の改善でした。西洋占星術の相性占いをするソフトで、使用していた機種はFM-8というFUJITSU製8bit PC。言語はBASIC。処理で一番時間が掛かっていたのが惑星の座標計算部分で、三角関数をビシバシ使っていました。ただ良く見ると占いでは必要でないであろう1度に満たない部分の計算に相当の時間を取られていたので、その部分をバッサリとカット。それをやったら処理時間が約1/4の5分程度まで改善しました。
次に時間が掛かっていた処理が惑星の相互の位置関係を調べる部分で、多重ループの中でif文を回していました。その部分はアセンブラで書き直した所、当時使用していたプリンタの印字の1枚2分以内に処理が終了する様になりました。今まで1時間で3枚、900円の売上しか出せなかったシステムが1時間で30枚、9000円の売上を出せるシステムになったのです。
その後、結果によっては2枚になってしまう事があったのを文章の量を調整して必ず1枚に収まる様に出力物を規格化し、プリンタも1枚1分で出力出来る漢字プリンタを導入して更なる高速化を図りました。この時点で1時間に60枚、18000円の売上を出せるシステムになりました。
またプリンタ用紙も1枚2円の白地の物から1枚10円の星のイラストが入ったヒサゴ社製の物に変更して製品に高級感を出すなどの改良を加えました。原価は8円上がりますが、300円で売っているので利益率が97%程度もあり、その程度の上昇はゴミみたいなものです。
勤めていた新聞社の大阪本社の印刷の人が
「俺たちが刷っているのは札束なんだ。刷れば必ず売れるので、刷れば刷るほど金になる」
と言っていたという話を聞いた事があるのですが、近い感覚があるなと思ったりしました。
ただ高速化しただけでは解決できない問題がありました。相性占いだったため、相手がいない人はお客さんになってくれないのです。そこで次の年には性格診断物、さらに次の年にはランダムな結果を出す、おみくじ物を出し、コンピュータ占いだけで1日に10万円以上の売上をコンスタントに上げられる様になりました。
こう書くと学園祭で占いをやれば必ず儲かる様に思ってしまうかも知れませんが、必ずしもそうではありません。毎年、電算研が家のサークルより高速で高いコンピュータを使い、販売価格も100円安い200円でコンピュータ占いをやっていたのですが、そっちはいつも閑古鳥が鳴いていました。この差がどこから出ているのかは私には分かりませんでしたが、高額な設備投資をし、その上ダンピングまでしても上手く行くわけではないといった所が商売の面白い所だなと感じています。
まあ、それだけ売れても、売上は全部サークルの物になったので、私には打ち上げがタダになるという従来通りのメリットしかありませんでしたが、商売の面白さを知ることが出来た事が一番の収穫です。私にとっての商売とは、自分なりに創意工夫して、お客さんはこんな物を提供したら喜んで買ってくれるだろうとマーケットのニーズを読み、その予想に沿った商品を作り、それを世に出して受け入れられるかを試すゲームの様な物なんだろうなと思っています。儲けなんて「おまけ」みたいな物です。おまけと言っても収益の額が1日10万円というのは結構な金額で、学園祭という特殊な条件下だという事を考慮する必要がありこそすれ、年間300日回せば3000万円の売上で、その殆どが利益。商売としては結構いい方に行ってるだろうと思っていますが。この時の小さなビジネスの成功体験というのが私の中にずっと根付いていて、今でも自分でビジネスを始めて成功させてみたいなという願望を持ち続けています。
とりあえず過去の成功体験から、コンピュータ占いはどうかとも考えてみたのですが、既にスマホアプリで多数存在し、その中でどう差別化を図るかというのが大きな課題ですね。
ちなみにコンピュータ占いで一番苦労するのは、文章を如何に散らすかという点にあります。例えば12星座ごとに文章を用意すると、1/12の確率で同じ文章が発生し、同じ星座の友達とやると同じ文章が出力されてしまい、有難みがありません。占いの理論体系と矛盾しない様に注意しながら、出来るだけ多くの文章を用意し、かつ学園祭までに間に合う作業量のになる様、設計する必要があるのです。
私が採用した方法は、文章を複数のブロックに分け、一番先頭の文章のパターンを増やすというものです。冒頭部分が違っていると、後のブロックで同じものが出ても、「同じだね」で済む所があり、さらに後段で別の文章が出てくると手抜き感が感じられなくなります。ただ複数のブロックを組み合わせるとブロック間の矛盾が出る可能性があるので、そこを考慮しながら文章を作るというテクニックが必要になって来るのですが。
そんな苦労をしながら占いソフトを作っていた訳ですが、この文章作成って近頃のAIにやらせると、結構相性が良いのではなどと考えています。それが出来たら私もAI星占いで自分の事を占ってみたいとな思っています。自分で作ると中身が全部見えているので、文章を読んでも全然感動が無いんですよね。さすがに占いに関して学習させたAIなど無いでしょうが、出来たら楽しいだろうなと思っています。
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